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(ちぇ~なんだよぉ。いつもならこんなこと言わねぇくせにぃ)
俺は不貞腐れた顔のまま授業をなんとかやり過ごした。
ぼんやりトイレに向かっていると後ろから声をかけられる。
「おい」
「俺すか?」
振り返るとついさっきまでつまんない授業をしていた英語教師だった。鬱陶しげな表情が浮かんだことは自分でわかっていたが、最早どうすることもできない。
「お前、英語の単位あぶないぞ。これからちゃんと授業出ろよ」
「はぁ……」
「テストで赤点取らなきゃいいってもんじゃないんだぞ」
「はぁ……」
空気の抜けるような相槌を打つ俺から眼を逸らし、諦めたような溜息を零しながら「兎に角ちゃんと授業に出なさい」と英語教師は踵を返した。
俺はそのままトイレに向かい、その足で保健室に向かう。
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