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コツコツと
音をたて
歩み寄った
部屋の壁時計の
長針と短針が
今日から明日へと
移り変わる手前で
抱き合うのを
躊躇うように
突然止まった
遅い帰宅をした
俺を待ち受けるように
お前が
作り置きしてくれた
夕食が
出迎えてくれた
食卓の上で
サランラップで包まれた
器に盛られた
冷たく固まった
肉ジャガは
チンすると蘇ったように
封じ込められていた
優しさが
外したラップの中から
溢れ出るように
湯気を立てて辺りを包む
溜まった水蒸気が
幾つかの水滴になり
器の中の肉ジャガに
零れ落ちた時
のんびりとしていて
いつもあまり動じない
お前の
なにか心の底に溜めた
寂しい涙のように
映った・・・
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