-ハジマリ-

2/9
前へ
/104ページ
次へ
そう、 アレは、二年前。 アタシが二十歳になりたての時だった。 その当時、付き合ってた彼氏の浮気が発覚して。 勢いよく啖呵を切って別れた日だった。 イライラしたり、哀しくなったり、 自分では対処出来ないくらい煮詰まった時に行く、Bar。 そこで独りで飲んでた。 あんまりお酒が強く無いのに。 その日はイライラと哀しみがどっと押し寄せていて、 配分も考えず、飲んでいた。 「――――そんなに飲んで平気?」 この時だ、彼に声をかけられたのは。 『――――え?』 突如降ってきた声に驚いたのを覚えてる。 たまに飲みには来ていたけど、 知り合いと出逢う事はマズないから、 ホントに驚いた。 顔をあげれば、 アタシの横に彼が居た。 真ん丸二重の大きな目が印象的だった。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

191人が本棚に入れています
本棚に追加