-ハジマリ-

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「....」 『....』 夜風が火照った身体に丁度いい。 何を話すでもなく、 夜の道を歩いた。 『...ついた』 目の前のマンションを指さした。 「...そか。」 『...ありがとう、ございました』 小さくペコリと頭を下げる。 「...うん。あのさ」 『...はい?』 「送ったついでに、アドレスと電話番号、教えて。」 『....はい?』 言われた事が唐突過ぎて理解するのに時間が、かかった。 『...アタシの?』 「他に、誰がいるの?」 『....』 切り返しに反論できずに黙った。 「...ダメ?彼氏いる?」 『...いないけど。』 寧ろ、今日大失恋したばかり。 『...いいよ』 特に断る理由はないと判断して、 アドレスと番号を教えた。 日を改めて、今日のお礼がしたいってのもあったけど。
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