-優しさと苦渋-

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「...美桜、明後日、空いてる?」 『―――え?』 木曜日の夜。 いつものように アタシの部屋でくつろぐ彼に言われた。 「....美桜、誕生日でしょ?」 『ぁぁー.....忘れてた。』 11月24日。 アタシの誕生日。 「...空いてるなら、パーティーする?どっか遊びにいってもいいけど...」 何て、言い出す。 でも、明後日って――― 『や、桜木君、土曜日だよ?』 「...うん?」 疑問符のついた返事。 いやいやいや.... 『....土日はいつも忙しいみたいだからいいのかなって...』 呟くように、 語尾が段々小さくなって、 声が彼に届いたか、心配になった。 「....美桜の誕生日だから平気。」 『..全く意味が解んない』 脈絡のない答えに溜め息が漏れた。
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