-優しさと苦渋-

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――――――― 「...美桜」 優しい、そんな彼の声が聞こえた。 あのまま、眠ってしまったらしい。 「....ごめん」 薄く目を開くと、 彼が点けたのか、電気の光。 ....眩しい。 「....遅くなった。..ごめん、泣いた?」 『.....』 気だるい身体をゆっくり起こす。 申し訳ないような顔で覗き込む彼。 『...見ないで、化粧、グチャグチャだと思うから。』 涙が出そうになって静かに言った。 フワリ、と身体が温もりに包まれた。 「...美桜は、綺麗だよ。こっち向いて?怒ってる?」 『.....』 怒ってない、とは言い切れない。 黙っていると、クイっと顎を持上げられて.... 『....んっ、ふっ...』 熱いキスが降ってきた。 息もできないくらい、 激しくて.... 唇が離れた頃には、肩で息してた。 「...ホント、ごめん」 彼がもう一度、弱々しい声で呟いた。
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