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ピクン。
猫が突然動きを止め、耳を動かして何か音を聞いている。
『みゃあー』
甘ったるい鳴き声を発しながら、トテトテと玄関に駆け込む。
ガチャ
「ただいま。」
扉が開いてスーツの男性が部屋に入ってきた。
細身のスーツを着こなす、長い脚に猫がすり寄る。
「ちぃーちゃんさん、ちょっと待って。」
彼は子猫のことを『ちぃーちゃんさん』と不可解な呼び方をし、まとわりつく脚元から抱き上げた。
「ただいま、ちぃーちゃんさん。お出迎えありがとう。」
「みゃあぁ。」
そんなラブラブな光景を私は遠くから見ていた。
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