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ロビーには大理石の床、高そうなソファー、豪華なシャンデリア。
こんなところ初めてだ。
(前はオシャレな所にも連れて行ってもらったな…)
優しいオレンジ色の光に、捨て去った思い出を見る。
こっちに来てからは給料が給料なだけに、極貧節約生活を送っていた。
贅沢と言えば、ドラッグストアや特売で定価よりも安く売ってある甘いものを食べること。
特に苦でもなく普通にそんな生活を送っていたので、自分の場違いさに萎縮してしまう。
「部屋に行きましょう。」
「…はい。」
心細くなって彼の腕にしがみついた。
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