好きになる日

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デザートを食べ終わると、彼がポケットから小さな箱を取り出した。 「遅くなってすみません。改めまして…僕と結婚してください。」 彼は私の隣に来ると、跪いてそう言う。 開いた箱の中には、部屋中な光を反射してキラキラと輝く指輪が入っていた。 彼がその指輪を取り出し、私の左手をとって指にはめる。 「……………。」 私は無表情で涙を流していた。 目の前にいる彼の顔がぼやけていく。 悲しくなんて無いのに、心は空っぽなのに、ただ涙だけが流れていく。 これが、人生で二度目のプロポーズ。
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