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「嬉し泣き…って感じでも無いみたいですね。」
すぐに彼に見破られる。
「…あ…いや…ごめんなさい。」
急いで涙を拭う。
「いいですよ。」
彼が困ったように笑って、ハンカチを渡してくれた。
「…すみません…すみません…」
早く泣きやまないといけないのに涙が止まらない。
「ティッシュが必要そうですね。取ってきます。」
彼が立って、私に背を向ける。
彼はそんな私を責めもせず、ため息もつかない。
でも、その後ろ姿が切なくなる。
私はキラキラした指輪をした指で彼の袖を掴んだ。
「…き、嫌わないで…」
とっさに出た言葉。
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