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「おそらく今まで両親に対する恨み、自分より優遇されていた私への嫉妬を溜めて、それが風船のように膨らみ破裂したのです。妹はナイフで両親を何度も刺し、殺してしまいました。次に私が見たのは、悲鳴を聞き駆けつけた近所の住民や警察を何人も惨殺する妹でした。壊れて正気を失ってしまった妹は、誰かまわず殺しはじめたのです。むしろ何故、私を殺さないのかが不思議でした。」 少女の声が、震えはじめる。 「私は、正気を失い人を殺し続ける妹を…罪を重ねていく妹を見ていられなかった…。妹がこんなことをするくらいならと…。そして私も正気を失い、妹に掴みかかり、ナイフを奪い妹を刺し殺した…!。ああ…私は愛していた妹を、手に掛けたのです。どのくらい時間がたったのでしょう?、自分が何をしたか知った私は、そのナイフで自身の喉を刺しました。」 少女は顔を上げた。 「これが、私の罪です。」 彼女の目には涙が…。 「(あの人、何処かで…?)」 私は不思議と、涙を浮かべる少女を知っている気がした。 「汝の罪を裁き…、罰を与える…。」 男達が、少女を崖の影へと連れてゆき、やがて見えなくなった。 「あの少女は誰なの?。私、彼女を何処かで…!」 私は彼に訪ねた。 「これを、ご覧なさい。」 彼はナイフを取り出した。 ナイフは鮮血に汚れ、血が滴っていた。 突然、フラッシュバックというのだろうか?、私の脳に、ある恐ろしい映像が流れた。 「あ…ああ!」 ナイフを持ち、泣き叫ぶ2人の中年の男女を何度も刺す自身の手、呆然とするさっきの少女、悲鳴と血。 私は、少女を殺そうとしたが、彼女だけは何故か殺せなかった。 「(まさか、彼女が言っていた妹って!?)」 全てを悟った私は、地面に崩れ落ちた。
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