おもうぃで、ぽろぽろ

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 宮原さんはつり目だった。加えて、常に眉間にしわを寄せていた。あとなかなか立たなかった。彼女が立つときといえば、体育などの移動教室のときとトイレに行くときぐらいなものだった。……失敬、さすがにそのままトイレに行くとか言うのはデリカシーがなかった。訂正しよう、お花を積みに行くときだ。  あと、宮原さんは喋らない。授業中に指されたことはなぜかないし、女友達と集まっているときもイエスノークエスチョンに首を振って答えるだけだった。まるで周りが宮原さんに合わせているようだった。だが本人達にはそんな気はないらしい。  僕が宮原さんを気にかけるようになったのは、確か6月ごろ。2年生になって1回目の席替えで、僕らは隣同士になった。宮原さんが窓際一番後ろで、僕はその右側。チャンスとばかりに、宮原さんに初めて話しかけた。 「えと、宮原さん!よろしく!」  最初は当たり障りのない言葉をかけた。とりあえず彼女の声を聞いてみたかった。 「……………」  黙ったままうなずかれた。睨むような目で。若干マゾ体質だった僕は、少しグッときた。
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