壬生浪士組

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「いえ、大したことではありません」 「そうか…じゃあ頼んだぞ」 「…はい」 こうして、大和の世話役が決まったのだった 「……また蚊帳の外なようながしますが…まぁ、いいですか」 本人を前にまたも勝手に話を決められた大和は、やれやれと肩を竦めるが何故か微笑みながら二人の話を見ていたのだった 「副長、それではこれで失礼します」 「失礼します」 話もまとまり、土方はこれから仕事があるということなので、大和とセイと斎藤の二人と一匹は部屋から出た そのまま、二人は並んで歩き出す 「斎藤さん、厄介なことを任されてすみません」 何も語らず、ただ黙って歩いていた二人 だが大和は突然立ち止まると、同じく立ち止まった斎藤に頭を下げた あまりに突然のことに、斎藤は目をぱちくりさせている 「………どうした?…突然…」 だがいつまでもそうしている訳にもいかず、とりあえず大和に頭を上げさせると、小さく問い掛けた 「いえ、突然こんなことを押し付けられて迷惑ではないかと思って…」 静かに大和を見詰めていた斎藤は、大和の言葉に最初は固まっていたが、次第に何故か小さな笑いを浮かべる そんな斎藤に、大和は首を傾げながら見下ろしている 「フッ…いきなり何を言うかと思えばそんなことか… 気にするな、新城… これは俺もやってみたいと思った故のこと お前に謝られる要素はどこにもない」 そんな大和に、斎藤は普段の無表情を消し、微笑んだ こんな表情滅多に見れないんだろうな、と暢気なことを考えながらも、斎藤の言葉がなんとなく嬉しくて、大和は口元を緩ませていた 「……それはそうと新城… お前に頼みたいことがあるのだが…」 和やかな雰囲気の中、斎藤は何かを決心したように大和へ視線を向けた その表情は真剣で、大和も緩ませた口元を再び引き締め、斎藤の次の言葉を待つ 一方の斎藤も、言いにくそうに少し躊躇っていたが、口を開いた 「……その小鹿…セイを撫でさせてほしい」 …………………… 「…は?」
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