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ピピピピ ピピピピ―
-カチッ
「ん…はぅわぁ…」
もう朝。カーテンの隙間からの陽の光が、やけにまぶしい。
毎朝の事だが、私はどうも馴れない。
朝は嫌いだ。
眠いし、眠いし、眠いし。
一日中寝ていたい。
でも、学校に行かなくてはならない。
また、新たな一日が始まってしまったのだから。
朝は眠気と憂鬱で一杯だった。
学校でも、友達は少ないし…
彼氏、いないし…
恋なんかした事ない。
マンガやドラマを見てて憧れはあるけど、
現実はそう甘くない。
必ずしも、ハッピーエンドで終わる訳ではない。
恋を一生しないまま生涯を終えるかもしれない。
だけど、それだけは免れたい。
絶対高校生活の中で、
彼氏を見つけてやる。
卒業まであと2年。
中学の頃もそう言って、結局できなかった。
「はぁ…」
私が溜め息をついた時、突然後ろから声がした。
「おい、おい。お前そんな簡単に溜め息つくなよ…
あのなぁ、溜め息つくと幸せが逃げてくんだぞ?
今でも幸せそうじゃないのに、もっと不幸になるぞ?あ、やべ。時間ねぇや。じゃなっ!」
そう言って少年は走り去っていった。
なんなんだ。いきなり来て、『溜め息つくと幸せが逃げてくんだぞ』って。
そんな事言われても、もうとっくに幸せなんか逃げてるっつぅの!
「あ゛ぁ~」
そうじゃなくても朝は気分悪いのに、アイツのせいで更に気分悪くなった。
休みたい。
今日は嫌な事ありそう…。
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