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“お前は私達の希望だ…
お前だけは生きるんだ!”
私の手を握る
あの温かい手はどこ?
“いつも笑顔でいなさい
そうすれば幸せになれるわ…
必ず貴方を愛してくれる人がいるわ、その人を信じて生きるのよ”
私を見守る
あの温かい瞳はどこ?
“いや!
独りにしないで…!!”
――
――――
――――――
バッ!!
見慣れない天井。
見慣れない家具。
(ここはどこなの?)
「目が覚めましたか?」
(……!!)
目の前には身を乗り出して私の顔を覗き込む青年がいた。
沖「あはは、ごめんね。驚かせちゃったね、僕は沖田総司。君の名前は?」
(あ、私は…)
口を開きかけて気づいた。
沖「もしかして…喋れない?」
私はこくん、と頷いた。
そう、私は喋れなかった。
沖「筆と紙を持ってくるね。」
私が頷いたのを確認して沖田さんは部屋を出た。
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