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近藤さんの提案で着替えた私は、もう一度自分の荷物を確認した。
彩(やっぱり変な物ばかり。
女なのに刀とか袴とか、そればかりか忍装束まで…
それに私は血を浴びて倒れていただなんて…)
自分が何者かわからず恐ろしくなる。
彩(これから私はどうすればいいの?)
何も覚えていない私にもちろん宛てはない。
沖「彩音ちゃん着替え終わった?入るね。」
そう言って襖を開けた沖田さんの手にはお膳が乗せられていた。
沖「これご飯だよ。3日も食べていないからたくさん食べてね。」
彩(おいしそう…。でも、ただでさえ迷惑かけてるのにご飯まで頂くなんて…)
彩『ふにゃっ!』
沖「遠慮なんていらないよ。
それより、おふでさんが作ってくれたご飯残したら殺されちゃうよ。」
沖田さんは私の口にご飯を詰め込みながら笑っている。
彩(び、びっくりした。)
まだ食べさせようとしている沖田さんの腕を、せめて自分で食べようと思い掴んでみたが、沖田さんは口を尖らせた。
沖「僕に食べさせてもらうのがそんなに嫌?」
彩(そう言うわけじゃないけど…
あれ?このご飯…)
困っている私をよそに沖田さんはご飯を与え続けた。
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