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「聖女ドラゴンヴァルキリー…」
彼女はそう呟いて頭をガリガリと掻いた。
茶色い長い髪も母親が死んだあの日以来、ちゃんと手入れをしていないのでボサボサであった。
彼女の母親は魔女事件に巻き込まれて殺された。
そう、彼女は信じている。
でなければあんな無残な姿で死ぬのが説明できない。
「何が聖女だ…何が正義の味方だ…!」
魔女事件を調べるうちに「聖女ドラゴンヴァルキリー」の噂に彼女もぶつかった。
しかし、彼女に言わせれば。
「魔女も聖女も同じじゃないか…!!」
彼女の憎しみは魔女よりもドラゴンヴァルキリーに向けられていた。
「聖女ドラゴンヴァルキリー…!必ず母さんの仇を…!!」
彼女の名前は夜葉寺院 友知(やはじいん ともち)。
志穂の親友である。
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