第九話 ライバル

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「聖女ドラゴンヴァルキリー…」 彼女はそう呟いて頭をガリガリと掻いた。 茶色い長い髪も母親が死んだあの日以来、ちゃんと手入れをしていないのでボサボサであった。 彼女の母親は魔女事件に巻き込まれて殺された。 そう、彼女は信じている。 でなければあんな無残な姿で死ぬのが説明できない。 「何が聖女だ…何が正義の味方だ…!」 魔女事件を調べるうちに「聖女ドラゴンヴァルキリー」の噂に彼女もぶつかった。 しかし、彼女に言わせれば。 「魔女も聖女も同じじゃないか…!!」 彼女の憎しみは魔女よりもドラゴンヴァルキリーに向けられていた。 「聖女ドラゴンヴァルキリー…!必ず母さんの仇を…!!」 彼女の名前は夜葉寺院 友知(やはじいん ともち)。 志穂の親友である。
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