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黒色揚羽
綺羅綺羅 黒色の翅
ひるがえし華と舞う
透明な蜘蛛の巣に
囚われて食まれるまで
真っ赤な花に映える
私を見つめてよ
時もあえず 見も知らぬ
貴方は草木の影
嬲るように身を抱く
嬌声で翅折れば
神経毒 鱗粉はぜる
運命と偶然で
絡み付けた縁の糸
手繰れば身千切れ
咀嚼の断末魔
媚薬陶酔 赤混じる
綺羅綺羅 ぬめる翅
打ちつけて地に落ちる
透明な蜘蛛の巣に
囚われて食まれる身は
蛾のように醜くて
私を壊してよ
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