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「こんにちはや」
営業所の一階、ショールームに人影が。
「はい」
たまたま一階にいた綾香ミツルが、応対に出ました。
「なんでしょう?」
綾香は相手の格好をチラチラ見ながら、そう聞きました。
長い黒髪に右側から飛び出したアホ毛、ブレザーに赤のチェックのスカート、どっからどう見ても女子高生です。
「あんなぁ、血、ほしいねん」
心地よい関西弁に聞き惚れていたら、今、何て言った?
「あの、今、何と?」
綾香は半信半疑で聞き返しました。
「血、ほしいねん。うち吸血少女やから、血、飲まんと生きていかれんねん」
彼女はゆっくりした関西弁で、さらっと怖いことを言いました。
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