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ショートカットの黒髪に手に持つホワイトボード、ブレザーに赤のチェックのスカート、先程からいる南那珂川雛乃と名乗った女子高生と同じ学校のようです。
「あんなぁ、躑躅森。目の前にそんなん出して顔に当たったら、どないすんねん」
雛乃は真横にいる、躑躅森と呼んだ女子高生を見ました。
『うちはそんなん当てません』
躑躅森と呼ばれた女子高生は、雛乃の前で硬直している綾香と伊勢にホワイトボードを見せました。
『躑躅森桜子といいます。皆さんどうしたんですか?』
「あっあの子が、血、血をほしいって、い、言うんだ」
まだ硬直状態からは解凍できず、震えながら伊勢は言いました。
『大丈夫ですよ。ほら』
躑躅森桜子はポケットからトマトジュースの缶を取り出すと、雛乃に渡しました。
「せや、うちはこれを待っててん。ゴクッ。ぷはぁ。やっぱトマトジュースはこれに限るわ! ってなんでやねん!」
雛乃はトマトジュースを一気飲みした後、華麗なノリツッコミを披露しました。
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