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なんだよなんだよなんだよ! 皆こんな日に傘持っていやがって! そんなに雨が降って欲しいか降ったらなんかもらえるのか異能の力が一段階上がるのかそれだったら俺も降らせてぇよちくしょぉぉぉぉっ!
支離滅裂で、母さんが聞いたら間違いなく一蹴される言葉を心で叫ぶ。
だがんなこと気にしていられない。 俺は雨が嫌いだからね!
「雨降ったら洗濯物乾かないし徒歩だとズボン濡れるしじめじめするし水溜まりできるし低気圧の人は頭いたくなるし古傷ある人だって……ぶっ!!」
スピードを緩めることなく、登下校の道にある煙草屋の角を曲がった時、俺は何かにぶつかって動きを止める。
この展開、トーストを口にくわえた転校生(美少女)かっ!?
「だ、大丈夫ですか?」
声をかけつつ、ぶつかった際に瞑った目を徐々に開いていく。
そこにいたのは……、
「あ? ぶつかっておいてすいませんの一言もないのか、あ?」
真っ黒なサングラスをつけた、頭に剃り込みが入っているお兄さんでした。
「地雷……、いや、核爆弾の発射ボタンだと……」
やっちまった感が否めない。
別にわざとぶつかったわけではないが、それでも相手が怒っていて明らかに自分より強そうな場合は下手に出てやり過ごすのが得策だ。
「あの……」
「あ? なにテメェあやまんねぇの? あ?」
「いや、すい」
「あ? まじ? それでもあやまんねぇの? ぶつかってきたのはテメェだろ? あ?」
「だか……」
「殴っちゃうよ? ね? あ?」
う、うぜぇぇぇぇぇぇ!
なんだよ『あ?』って、『あ?』って!
なんでなんでも疑問系なの、なんでそんなに聞く耳ないの、なんでそんなに『あ?』っていうの!
耳糞たまってんのかそうだったら俺が取ってやろうか鼓膜ごと!
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