由衣サイド

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由衣サイド

ノックして、しばらくしても何も起こらない。ねてるかな? 少しだけ、ねぇ? 私は大野君の部屋の扉を少しだけ、あけた。 起きていた。 ただ、様子がオカシイ。 電話中。 「何? ,,,うん。分かった。明日、そっちに行くから待ってて。、、、あ、洋子、愛してる。おやすみ。お母さんに宜しく伝えといて。」 ガシャンッ 持っていたココアを落としてしまった。 音に気付いた大野君。 優しい顔で、 「どうした?」 だって。 なんだ、ワタシ、告白する前から振られてる。 涙が流れていた。 平気な振りをする。 心配そうな顔で、私のことをみつめる。 「ご、ごめんね。電話してたみたいだったけど。」 「ばか。」 「へ?」 「そんな大きな音がしたら、誰でも心配するでしょう?」 「...ごめんなさい...」 「マア、いいさ。で?なんか、よう?」 「ココア飲むかなって...」 「それだけ?」 「あのね、今日のこと、謝ろうと思って」 「ココアをこぼしておいて?」 「そ、それは...」 「嘘。部屋に入って待ってて。俺が拭くから。」 「ううん、私が拭くから。」
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