インファーナル

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そこには顔半分が火傷で爛れたように崩れ、両手足は鱗で覆われている男が立っていた。 男の鋭い爪がギラギラと光っている。 「なんだ、ゴンちゃんか。」 「ゴンザレスだっ!」 ゴンちゃんと呼ばれた男は、顔を鬼の形相にしながら訂正した。 だが、そんなことはいつもの事らしく、直ぐに元の顔に戻り、ロザリーの隣へと座った。 「何持ってるの?」 そうロザリーが聞くとゴンザレスは待ってましたとばかりに、ニヤリと笑い横に置いていた瓶をロザリーの前へと掲げた。 中には赤黒い液体が入っており少し鉄の匂いがした。 「若い女の生き血。100年物だぜぇ。」 ゴンザレスは得意気に言いグラスを差し出す。 「どこからそんな物を?」 「レムの所から掻っ払ってきた」 ゴンザレスはしれっとした顔で答えロザリーのグラスへと血を注いだ。 「あいつも不憫だね。ランクが低いせいで…。」 ロザリーは少し呆れ気味に言った。 「まぁまぁ。レムがこうして大切に貯めていたものをオレに快く譲ってくれたからこそ、お前も 旨いものが飲めるんだぞ。」 と自慢気に言いグイッとグラスの中の液体を飲み干した。 「どうせ、また わたしの名前 でも出したんでしょう。」 ロザリーはゴンザレスのグラス へと液体を注ぐ。
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