乳の記憶

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安アパートの煎餅布団の中。 僕は無意識に母の乳房を探る。 それを探り当て、しばらく乳首を弄(イラ)った頃に、大きな乳房の谷間に頭をかき抱かれた。 ぼんやりと我に帰り、不意に涙が溢れ、嗚咽が漏れる。 「また、夢を見ていたのね・・・」 彼女の優しい声。 僕は欲張りな子供のように両の乳房を握りしめ、左右の乳首を交互に口に含む。 「甘えていいんだよ・・・」 華奢な手が僕の髪を撫でる。 僕は泣きながら、その愛しい膨らみの間で、切なくも安らかな眠りの闇に再び落ちて行く。 まるで乳飲み子のように・・・ .
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