藁屋敷

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すると、Cは風呂の蓋もって震えてた。 どうしたんやって聞いてもごめんなさいとしかいわへん。 他のみんながCから蓋を取り上げた。 あっしらから見た方には何もないただの蓋やったんやけど、裏面にはびっしりと藁が張り付いてた。 触ってみても濡れてなんかいいひん。カラッカラに乾いとった。 引っ張って剥してみると、藁に何かこびり付いてる。 何やろと思て、Cの面倒をあっしに任せたままAとBがこびり付いてたものを指に付けてみた。 ねっとりと指についたそれは見るからに赤黒い血。 AとBが仰天して叫び声をあげた瞬間、風呂場中から笑い声が聞こえてきた。 年くうた爺さんの声、甲高い女の声、いろんな声が混じったような声が上からも下からも聞こえてきた。 あっしもこれはまずいと思ってみんなに「玄関まで走れ!」って言うた。 でも、何故かみんな動こうとせえへん。 あっしもパニックになってたから急いで二人の顔にビンタ。 幸いお守り持っとった手でシバいたらしく、二人の目が覚める。 とにかく早く出ようとCの腕引っ掴んで風呂場の出入り口に突っ込んだ。 その瞬間、Cの身体が消えた。 掴んでいたはずの手の感覚も、元々そこに何も無かったかのように消えた。 あっしとAとBが呆然としていると、笑い声がだんだんと近づいてきた。と言うより、大きくなってきた。 あっしらは一目散に風呂場から出、藁屋敷を出た。 途端に、あんなに耳の中で響いていた笑い声が消えた。 あの日からCは行方不明になり、今でも見つかっていません。 Aはあの時から夢を見るようになったそうです。 内容は知りません、ですが少し前久しぶりに会ったら「俺はここにいるよな!?見えてるよな!?」としきりにあっしに訴えていました。
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