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たくさん飲んだ。 俺じゃなく、アイツがだけど。 椎名 尚 25歳、今日も自分との戦いが始まる。 隣のご機嫌酔っ払いはそんなのお構い無しで鼻歌中。 「危ないから、走るなよ。前をむいて歩いてくれ、頼むから」 「シーナ、だって星が見えるよ。明日は晴れるね」 キラキラ静かに光る星を見上げながら、楽しそうに言う。 それを見ていると、来た。いつものあの感情。キレイな星空とは正反対の黒ーい気持ち。 気付かれないようにフッと息を逃がした。
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