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通勤のため駅に向かう朋乃を、理緒はその姿が見えなくなるまで見送ってくれた。
玄関を出て20メートルほどの先の角をすぐ右へ曲がった時だった。
その角にきたとたん、朋乃の身体に発作が起きた。
突然、朋乃の肉体のある部分が彼の意志とはまったく無関係な勝手な行動をお越しはじめたのであった。
ある部分とは…両方の目である。
自分の両目が、いきなり白目をむいた。そして、いくら元に戻そうとしても、上に吊り上げられた眼球の位置は下がってくれない。
眼球が勝手に上方に吊り上げられる痛みは強烈で、気分の悪くなるものだった。
もう少しこの状態が続けば、間違いなく嘔吐すると思った時、突然、パッと発作から解放されたのであった。
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