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――「オーイ! 」
結局、家を出るのがギリギリになって
雪道を急ぎ足で歩いている途中
後ろから誰かに声を掛けられた
……どうせ、いつもみたいに
「おはよー!
キョウ、雪スゴいね!」
声を掛けてきたのは
小学校からの幼なじみ
……腐れ縁って言った方がいいかな?
ノンこと、黒野 歌乃だった
「ウン、これだけ積もると
当分、部活無いね、ガッカリ……」
「部活休み~!
キョウは嬉しくないの~? 」
ノンは雪道の上を
スケートのように滑りながらニコニコしている
「嬉しいわけ無いでしょ……
……あっ! でも、早く帰れるから、いっか~」
そうだよ、お姉ちゃんと長く過ごせるじゃん!
それに気づいたキョウの表情を見てか
ノンもその事に気づいたみたい
「……そっか~
アスナさん、帰って来たんだよね」
「ウン!」
「何だか、嬉しそうだね?」
「そりゃ、嬉しいよ~
久しぶりのお姉ちゃんだもん」
「そうだよね~」
歩きづらい雪道だったけど
早くお姉ちゃんに逢いたいって気持ちからか
15分ぐらい掛かる通学路も
2人であっという間に歩いていた
でも、まだ“行き”なんだよなぁ……
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