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「やあディモル。なに、僕は夜行性なんだ。この時間は眠くて当然さ」
ディモルと呼ばれた少年――本名ディモルフォセカ=カレンデュラは、カブトの言葉に溜め息混じりに応える。
「カブト、昨日だって日が暮れてすぐに眠ってしまったじゃないか」
暫しの黙考。
「……そうだったっけ?」
溜め息。
「ああそうだよ。村長に頼まれていた仕事を放り出したっていうおまけ付きでね」
想起。
「ああ、そういえばそうだったかもしれないね。しかし……」
カブトは一旦言葉を切ると、大きく伸びを一つする。
「こう、毎日気持ちのいい日が差すと、自然と瞼が重くなってくるというものだろう?」
「昨日は雨だったよ、カブト」
カブトはきょとん、という音が聞こえそうな表情を作る。
「おや、そうだったかな」
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