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泣いてる子をそのままにしておくわけにもいかないから、とりあえず鈴乃ちゃんをタクシーに乗せて帰すことにした。
観念したのか大人しくタクシーに乗り込む鈴乃ちゃん。
と、思ったら、園田の唇に自分の唇を押し当てる。
「最後だもん」
そう捨て台詞を残してタクシーは走り去った。
「最後だもん?
最初があったって事?」
「あるわけないだろ!」
アタフタする園田。
怪しい。
「別に怒らないから言ってごらん」
「言ってごらんってなんだよ。最初なんてねぇよ。
さっきのが最初で最後だ」
「怪しい」
「怪しいってなんだよ。お前俺の事信用してない訳?」
「信用されるような人生送ってないでしょ」
「ホント酷でぇ。俺さっきまで良い事ばっか言ってたじゃん」
「あれ良い事だった?なんか褒められてんだかけなされてんだかって感じだったけど」
「褒め言葉のなにものでもないだろ」
「そういうことにしといてあげよう」
「上からか」
「上からだよ。
それより鈴乃ちゃん以外にも私が被害を被る事ないでしょうね」
「多分」
「多分って!」
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