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キーンコーンカーンコーン
気がつけば昼休みになっていた。
扉が開く音が聞こえた。
「やっぱりここに居たか」
この声は嵩斗だ。
「でも今日は気持ちいい天気だねぇ」
千明もいることがわかった。
二人は誠を挟む感じで座り昼飯を食べようとしている。
誠は昼飯をまだ買ってきていなかった。
「あ~売店で買ってくるわ・・・・・・」
立ち上がろうとすると嵩斗がどや顔でパンを見せてきた。
「お前のパンは買ってきてやったぞ?いらないか?」
嵩斗は意外と気が利く。
しかもそのパンは誠の好きなメロンパンと焼きそばパンだ。
「さすがわかってるじゃん!サンキュ!」
誠は嵩斗からパンを貰い嵩斗はおにぎりを食べ千明は自分で作ったであろう弁当を食べている。
昼休みはこうして過ごすのが毎日変わらない日常になっていて当たり前なのだが、唯一毎日同じことの繰り返しでもとても大切にしたい時間、楽しく過ごせる時間になっている。
誠はパンを食べ終わったがまだお腹が満たせていない。
嵩斗を見るとおにぎりを食べ終わりそうだった。
千明を見ると綺麗な卵焼きがまだ残っていた。
「はぁ、もうお腹いっぱいだよ~誠いる~?」
当たり前と言ったようにすぐに返答をする。
「いいのか?!じゃあいただこうかな」
と言い手がすでに卵焼きに伸びていた。
「やっぱり欲しかったんだぁ」
誠の心を読んでいたと言っているようだった。
「いいだろ?お前の卵焼きめちゃくちゃうまいんだから」
これは嘘ではない。千明の卵焼きのうまさは嵩斗も知っていた。
「いいな!俺も欲しい!」
「そう言うと思って二つ残したんだよ」
千明は嵩斗のこれからの行動も読んでいた。
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