100兆円

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100兆円

『ちょっ!何するの』 『残りの奴等に二度とそんな気を起こさせない為にも、見せしめだよ』 コンクリート剥き出しの地下室 『あなた達のしている事は完全に犯罪よ!』 『この状況下でまだ、懲りない女(ひと)だね』 『この産業がどれだけ腐ってるのか、解らないの』 『この産業は日本に於いて、いや世界に於いても一番重要なんだよ』 『於いても!?日本だけじゃないの!?』 『察しがいいな、これは全て大国が仕組んだ、いや、未来永劫に終わる事のない戒めなんだよ』 『あなただって日本人でしょ』 その部屋の蛍光灯は切れ掛かっていた その為相手の顔が分かりづらかった しかし次の瞬間パァと明るくなった 『あ、あなたは!!』 『ほぉ、ようやく、俺が誰だか分かったみたいだな』 男はそう言いながら口にくわえていた煙草を吐き捨て右足で踏みにじった
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