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口の中が鉄くさい。身体中が悲鳴をあげて動くことを拒否してる。くそっあの野郎、思いっきり腹に蹴りいれやがって。舌打ちすることすら地味に体が痛みを訴えてきやがる。
半ばやけになった俺はその場で寝転がった。
目を閉じて肺に思いっきり酸素を入れると激痛が走るが根性で無視を決め込む。
うー…でもやっぱ痛ぇ。
ため息のように肺から空気を出すと少しだけ痛みが引く。
そのまま全身の力を抜いて、聴覚と触覚だけに身を任せると心地良い開放感が俺を襲う。風が優しく傷をなでていく。そうしているうちに眠気がやってきてうとうとし始めて――――…。
「おー…にぃちゃんイカす面になってんなぁ。」
突然、頭上から能天気な関西弁がふってきた。
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