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一気に眠気が覚めた。
あ?誰だよ。閉じていた目を開けると見覚えのない逆さまの顔が間近にあった。
20代位の男で、ぼっさぼさの黒い髪。縁なしの飾り気のない眼鏡。よれよれの柄シャツ。寝転がっている俺にもわかるくらいの長身。口にくわえているのは…煙管(きせる)?
「……あんた誰。」
思っていたことをそのまま口にする。
ついでに「どっかいけよ。邪魔。」という顔をつくって思いっきり睨みつけてやった。
相手は対して気にせず、にかっと歯を見せて笑った。
「おーおー威勢がいいやっちゃ。こないなとこで何してる?」
俺の質問に答えず、逆に質問してケタケタと笑うと男は顔を離して気持ち良さそうに伸びをする。
そのまま立ち去るのかと思いきや今度は立ったまま俺の顔を見下ろしてきた。
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