†再度†

12/16
前へ
/68ページ
次へ
「何だよこれ? 全く意味不明だよな……?」  彼はしばらく考えていたようだが、すぐに諦めたようだ。 「確かに意味不明だね。でもね――」  僕はそこでわざと一息入れる。  この暗号の答えがすぐに分かったからだ。  漣は「なんだよ、焦(じ)らすなよ」と僕を急(せ)かす。  クスッと笑い彼にヒントを与えることにした。  僕が彼のことを笑ったからだろうか?  彼はムッとした顔で僕を睨んでいる。 「ゴメンゴメン。よく考えたら分かると思うよ?」  と、笑顔で言った。  また彼は考え込んでいるのか、眉間にシワを寄せている。 「やっぱり俺には分からねェよ」 「ちゃんと絵も見てる? 右下にあるでしょ?」  彼は「絵なんてあったっけ?」と小声で呟きながら、その紙の右下の方を見ている。 「あっ! これか」  
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加