†再度†

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   彼はようやく絵の存在に気がついたみたいだ。 「ニワトリとちり取り? 余計にこんがらがってきた」  僕は彼の眉間にシワを寄せて悩む姿を見てまた笑ってしまった。 「多分これは小学生でも解ける、謎々みたいなものだと考えたら簡単だよ」 「そんなこと言われてもな……」  彼はもうお手上げ状態になっているようだ。 「しょうがないな」とため息をつきながら言う。 「ニワトリとちり取りを分けてみて」 「分ける?」  彼は質問の意味がよく分かっていないみたいだ。  僕はあえて無視をして――。 「ニワとトリ、ちりと取りに分けられる」  とさっきの問いを自分であっさり答えた。 「要約すると、"に"と"わ"を除く、"ち"と"り"を除くってことになる」  後は自(おの)ずと答えが見えてくる。  
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