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「この手紙は……」
お母さんはこの手紙を知っているらしく、わざと目を反らしている。
この手紙に嫌な思い出があったりするのかな?
そうか……。
お母さんは知っているんだ、この手紙が示すものを――。
つまり、お父さんの死を。
「お母さん、この手紙を知ってるんだね?」
お母さんは微かではあったが、頷いた。
「お父さんはこの組織の一員なのはもう知ってるわね?」
僕が頷くとお母さんは話を続ける。
「彼に言われてたの。探偵事務所の場所を組織から示すものが届くとき――」
そこで話が途切れ、お母さんは下を向いて暗い顔を浮かべる。
「それは、彼の死を告げるものだと……。私が今から教える探偵事務所は風水、あなたのお父さんの探偵事務所よ」
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