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「僕のお父さんの……?」
僕は驚き念を押した。
「そうよ。ちょっと待ってて。確かあそこにあれが――」
お母さんはそう言って、棚の中をあさり始める。
そして、何かを見つけ、それを手にして戻って来た。
「はい、これ。お父さんの探偵事務所の地図。そう遠くないわ。そこで、夢を叶えなさい……」
お母さんはその言葉と共に一枚の紙を手渡してくれた。
これがお父さんの探偵事務所の場所……。
お母さんは認めてくれたんだ。
でも――。
何だか、悲しそうな顔を浮かべていたような気がする。
そう思いながらも、僕の部屋へと戻り、地図を漣に渡す。
「これが地図? よかった。今度のはまともだな」
彼はまた暗号ではないかと不安を募らせていたようだ。
だが、普通の地図でホッとしている様子。
僕たちはすぐに地図を頼りに探偵事務所へと向かう。
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