流れ星

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「ねぇ?春は明日暇?」 注文を待っている俺にひかりが話しかけてきた。 いつものことだが、注文を待っている時はひかりと話していることがほとんどである。 「明日は暇だけど?」 明日は日曜日。 そのため、義務教育である学生にとっては休みと言う訳になる。 「じゃあさ…映画を見に行こうよ恵ちゃんと昴流と未來も誘ってさ!」 今、ひかりが言った恵ちゃんとは、俺やひかり、未來の幼馴染みでよく遊んでいる緋色恵輔(ヒイロケイスケ)のこと。 恵輔はいつも明るく、運動もできるし、頭も悪くない。 それに顔も悪くないから女子にはかなりの人気者でもある。 「俺はいいけど恵輔は休日は野球だろ?無理だと思うけど?」 そう、恵輔は野球をやっている。 しかもここらじゃ有名なチームに入ってて生捕手ってやつで四番を打ち、キャプテンもやってるからこの町ならだれでも知ってるくらいのプチ有名人だ。 「そうだよね…じゃあ春と2人きりで行こうか?」 今までは昴流や未來と行こうと行っていたのに、いきなり2人きりで行こうとか言うひかりの考えは理解出来ない。 そして憎たらしいくらいに見せ付けてくる蔓延の笑み。 それがただの笑顔なのか下心ありの笑顔なのか小学生の俺にはわからない。
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