第七章

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 その核心に気付く観察力、判断能力を前に。終焉がどれだけ凄い存在なのかを、この人が『ギルド最強』の座に居る事に納得させられるアレシェナ。 「昔に、魔力暴走を起こして。気が付いた時には、私の家族は傷だらけで・・・。だから強くなろうとしても、今では魔力を込める事も」 「・・・」  まさか、初めて出会った相手に此処まで話すとは想いもしていなかったアレシェナ。  どうしてだろう。最後の方では涙に堪え、力の籠る手でスカートを握りしめたまま口が動いた。  心の奥底では安心しているのかもしれない。 「強く、なりたいか?」 「・・・えっ!?」  俯き、過去を想いだし、現在の自分の無力さに悲しみ、ただ震えていた彼女。  突如と届いた問い掛けに、バッと顔を上げ間抜けながらにも声が漏れだした。  しかし、送られた言葉を頭の中で数回と反復させて意識を強くさせていく。 「ッ!!・・・はい!でも、どうすれば」 「俺で良ければ鍛えてやる。その代わり、今の自分で居れなくなるかもしれないがな」  真剣に、フードで素顔等はわからないものの真っ正面から伝えてくる終焉。  たかが一人の少女に、これ程の人物が稽古をつけてもよいのかと考えるアレシェナだが。彼女自身の『強く成りたい決意』も固まりだしている。  答えは決まっていた。 「こんな私でも。こんな私でも稽古をつけてくれるのなら、強くなれるのなら、周りを守れるのなら・・・! 終焉様。私は、貴方について行きたいです」
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