プロローグ

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 此所は、とある大きな屋敷の一室。紅に黄色の糸が縫われた絨毯に、白い壁には手の施された額縁に納まる絵画。 「・・・」  そんな部屋に居る1人の男性が、フカフカのソファーに座り込み指を絡めては脚を揺らす。  どうにも落ち着きがない御様子だ。  ━━そんな時だった。 「ローベルトアフタヌーン様! 御子様がお生まれにございました!」  1人のメイドがこの場に駆けつけ、落ち着きのない男性ことこの家の当主『ローベルトアフタヌーン』へと告げた。  それを聞き、男性は銀色に染まったオールバックが乱れても気にせず走る。  彼は今日、子供を授かる特別な日らしい。  広き廊下を進み目的の部屋に辿り着いた当主は、豪快に両扉を開き中の光景を眺め顔を緩める。それと、驚愕もした。  1人の、金色で美しい長髪が特徴的な女性。まあ、ローベルトアフタヌーンの妻なのだが、片腕にそれぞれ赤ん坊を抱えている光景があったのだから。  つまり━━双子。
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