プロローグ

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 書斎には既に、母フィナーレが来ており魔力を測る準備は終えている。と言うよりは、彼女の腕に抱えている30センチ程の水晶しか使わない。 「さあ二人共、順番に水晶へ触れてみるのよ。この水晶に触れるだけで、魔力量と魔力属性が分かるわ。まずはメイアハート、貴女からです」  母親に告げられ、頷きゼロスから離れて水晶に触る少女。  小さく光を発する玉は、赤色と白に光を変化させる。 「おお! 火属性に光属性か。うむ。なかなか良い感じだ。魔力量も期待できる。 五歳の平均的魔力数値は1000だったか」  ローベルトアフタヌーンは緊張から解放された様にし、安心した表情で呟く。  それと同時に、メイアハートの手に触れた水晶は魔力数値を表した。  ━━5000と。 「ご、五千だと!? 凄い。俺が五歳だった時は3600だった記憶が・・・。とにかく、一般人の平均的魔力の半分とは。これなら、ゼロスにも期待出来るぞ」  嬉しそうに声を出し、メイアハートから水晶を放すように当主は持ち上げ、ゼロスへと近づいた。
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