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「………た、ただいま…」
玄関の時計が20時をちょうど指していた頃、私は家に着いた。
「おかえり!早く風呂入っちゃってね~」
「あ、はーい…」
台所からの母の声にテキトーに返事をして、自分の部屋に入った。
あの後、少し美香のノロケを聞いてから、耐え切れなくなった私はもう帰らないと、と言い訳も付けずに美香から離れた。
そんな私の心の中を知らない美香は、
『本当に驚かせてごめんね。そしてありがとう彩乃!大好きっ!!じゃあまた明日~!』
笑顔で私に手を振り、自分の家の方に美香は帰っていった。
その後ろ姿をしばらく見つめた後、私はノロノロと家まで帰ったのである。
部屋の椅子に座り込んで、私は立ち上がれなかった。
あまりにもダメージが大きかった。
「…美香が舜也と…?」
信じたくなかった。
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