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「じゃあ、キスするぞ・・・。」 実殊は目をつむっている輝の口に自分の口を軽くあてた。 チュッと言うリップ音のあと、お互いの唇が離れた。 実殊の顏は真っ赤だった。 それに比べ輝はにこっと笑って実殊を見ていた。 「先輩、可愛い。」 輝は実殊の手をひっぱり、自分の腕の中におさめた。 「うわっ、やめろ馬鹿!」 実殊は抵抗したが輝には効かず、腕の中にすっぽりおさまる形になった。 こいつ本気で俺のこと可愛いとか思ってんの? 彼氏としてはかっこいいの方がいいんだけど・・・。 実殊は輝の顔を見る。 やっぱこいつかっこいいな。 それに比べて俺なんか普通の顏。 お世辞でもかっこいいなんて言われないような顏だ。 なのに可愛いとかありえない。 あいつの目は腐ってんのか? まあ不細工よりは普通の方がましだけど。
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