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実殊は輝の顔を見ようと上を見た。 「あっ、あのさ……。俺、怒ってないぜ?」 実殊は輝をなだめるように優しい声で言った。 「本当に?よかった……。」 そっと胸を撫で下ろした。 輝は意外と傷付きやすい。 一見、クールで打たれ強そうに見える。 でも実際は真逆。 こいつと付き合って分かったんだけど、 クールなのは弱い自分を強く見せようとしてるだけ。 そして些細な言葉でも傷付きやすい。 さらに、こんな弱い自分をまわりに知られたくなくて人を避けてるらしい。 でも俺にはなついてる。 それが不思議に思っていつだか輝に聞いたときがあった。 返ってきた返事が、 「先輩は特別。」 凄く嬉しかったのを覚えてる。 輝が俺を特別だって言ってくれたことが。
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