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「別に。
あ、俺は駿河 武人(するが たけと)。
よろしくな!」
睨まれた男は誤魔化すように僕に自己紹介をしてきた。
駿河 武人……っと。
名前、入力完了。
「武人さん……ですね。
こちらこそ、よろしくお願いします」
僕は武人さんに深々と頭を下げた。
「ぷはっ!
武人さんだって!
まつり、最高!」
目をこすりながら操博士は爆笑する。
「えっと、意味がわかり兼ねるんだけど……」
操博士、何がツボったんだろう。
「笑うな、操!
『さん』は何だかこそばゆいから武人でいいぜ、まつり」
顔を赤らめ武人さん……武人は言う。
「はい!
武人!」
額に手をかざし僕は武人に敬礼する。
「ぶふっ!
武人って呼び捨てなのに、『はい』って敬語とか!」
矛盾している僕の言動に操博士は笑いが止まらない。
「もしもし?
笑いすぎじゃない?
操がツボるから敬語なしね」
手をひらひらさせながら武人は言う。
「は……うん!」
危ない、危ない。
また敬語を使うところだった。
「アホがうつるから行こう、まつり」
呆れた操博士はくるりと出口の方へ方向を変えた。
「あ、うん」
僕は慌てて操博士の元へ行く。
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