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「……まつりちょっといいか?」
ぐいっ
いきなり武人は僕の腕を引っ隅っこに連れていった。
「ん?」
武人、どうしたんだろ。
「操と俺はただの幼なじみだ。
まぁ、操は少し変わってるが仲良くしてやってくれ」
真面目な顔をして武人は言う。
ん?
武人の意味がよくわからない。
「何してるんだ~!
行くぞ!」
出口で待っている操博士はしびれをきらしている。
「じゃ頼んだぞ!」
そう言って武人は僕の肩をポンッと叩いた。
「あ……」
武人を呼び止めようとしたけど、武人はさっさと出ていってしまった。
「おい、まつり。
アイツと何話してたんだ?」
武人が去ったのを確認し、操博士がきいてきた。
「『操と俺はただの幼なじみだ。
まぁ、操は少し変わってるが仲良くしてくれ』って」
僕は武人の言葉を一語一句正確に伝える。
「……ッチ。
余計な事を」
僕の話を聞いた操博士は険しい表情をし、舌打ちをした。
「操博士?」
心配になって僕は操博士を覗きこんだ。
「あ、ごめんな。
まぁ、今日は祭を楽しもうな」
ハッと我に返った操博士は、誤魔化すようにニッと笑った。
操博士の配慮なのだろうか……。
何だかんだあったけど、この日僕は祭を楽しみ有意義な時間を過ごした。
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