2人が本棚に入れています
本棚に追加
***
ぐぐり祭から数日が経過した。
僕と操博士の共同生活は平々凡々に日々過ごしていた。
「あ~!
こっちの部品ではなくて……ブツブツ」
何やら操博士は工具を片手にブツブツ言いながら頭をボリボリかいている。
今日操博士は早朝から実験室にこもり、何かを作っている。
「操博士、大丈夫?」
こんな操博士を見た事のなかった僕は心配になる。
色んな発明品を作ったり、修理したりして生計をたててる操博士は依頼があると難なくそれを仕上げていた。
その操博士が悩むなんて余程の事だろう……。
「あ、まつり。
構ってやれなくてすまん。
ギャース!
これじゃねぇ!」
濛々と何やら怪しい機材から煙が出て、操博士は発狂する。
「ちょっと出掛けてくるね」
こういうときはそっとしとくのが一番。
そう思った僕は家の外に出た。
***
「はぁ……」
そうは思ったもののやっぱり心配だなぁ。
「どうした?
ため息なんかついて……」
僕の目の前に武人が現れた。
何てタイミングがいいんだろう。
「あ、武人。
操博士に用事?」
さりげなく僕は武人に尋ねた。
「いや、からかいにきただけ」
にんまり笑い何故か武人は得意げに言う。
最初のコメントを投稿しよう!