アンドロイドと恋模様。

14/40
前へ
/40ページ
次へ
「……ここが『サ店』?」 僕は辺りをぐるりと見渡す。 木目調の店内はこじんまりとしていてる。 『カウンター』と『テーブル』があってカウンターにサラリーマン風の男性が座り新聞を読んでる。 店内にはその人しかいないようだ。 カウンター越しに見えるのは……。 誰だろう? 「不満か?」 戸惑う僕に武人が声をかけてきた。 「違うよ。 初めてきたから……」 ブンブンと僕は顔を左右に振って答えた。 「へぇ、そうなのか~。 操みたいだな」 そう言いながら武人はテーブル席へと座った。 「操博士?」 操博士みたいってどういう事だろう。 「アイツは引きこもってばかりで世間知らずだからな」 うんうんと頷きながら武人は言う。 「成る程」 そういう事か。 操博士が興味ない事や知らない事は僕の中にデータとして入ってないのか。 「まつり、甘いの大丈夫か?」 『メニュー表』というものをみながら武人が僕に尋ねてきた。 「……多分、錆ないと思う」 操博士が言ってたんだ。 『まつりはあたしが生み出した高性能な素晴らしいアンドロイド。 そんじょそこらの屁みたいなロボットとは格が違う』 ってね。 だから大丈夫だと思うんだけど……。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加