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「あたしは操。
天井 操(あまい みさお)。
まぁ、呼びたいように呼ぶといい」
人間はそう名乗るとにんまり笑った。
「はい。
操博士」
ぺこりとおじきをし、僕は操博士の顔を見る。
「博士か。
悪くないな。
あたしに対して敬語は禁止。
家族だからな」
僕に言い聞かせるように操博士は言う。
「家族……」
聞き慣れない言葉。
むず痒いんだけど、何か心地いい。
「あぁ。
胸張ってそう言うといい」
がしがしと操博士は僕の頭を撫でた。
「うん、ありがとう」
照れ臭いけど操博士の手は凄く暖かい。
「ありがとうとかてれるだろうが……。
ん~……そうだな。
君にも名前が必要だな。
いつまでもR01って呼ぶ訳にもいかないしな」
操博士は腕組みをして考え始める。
ガサッ
考え込む操博士の足に何かが纏わり付いた。
そしてそれをそっと拾い上げた。
「ん?
『ぐぐり祭』のお知らせ……。
ほぅ、そういえばもうすぐだな」
『チラシ』という紙切れを見て操博士は呟く。
「『ぐぐり祭』って?」
疑問に思った僕は操博士に尋ねた。
「この町をのシンボル『ぐぐり様』を讃える祭だ。
『ぐぐり様』は遥か昔この町が盗賊達に襲われた時に勇敢に立ち向かった若者らしい」
淡々と操博士は僕に説明する。
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